最近は、ほとんどの体重計に「体脂肪計測機能」が標準装備されていて、
体脂肪率の数値が、とても身近なものになりましたね。
健康志向によって、「体脂肪率」という言葉もよく使われるようになりました。
しかし体脂肪計は、体脂肪そのものを計っているわけではないので、
使い方によっては、計測値のばらつきが大きく出てしまいます。
効果的に活用するためには、しくみを理解して、
「条件を揃えた計測」で、推移を見ていくのがよいと思います。
市販の体脂肪計は、手や足に弱い電流を流し、電気抵抗を測定します。
電気抵抗は水分量に関連します。
体内の水分や血液は電気を通しやすく、 脂肪組織は電気を通しにくいです。
脂肪組織は「脂=あぶら」ですから、水分を含まないので。
この性質の差をもとに導き出された、おおよそこのくらいという「推測値」が、
体脂肪計で示される数値なのです。
つまり計測時点での体内の水分量が変わると(脂肪の量は同じでも)
機器が示す体脂肪率には、変動が出てしまうことになります。
体脂肪計は、なるべく「同じ条件下で計る」のが、うまく使うコツだと思います。
たとえば朝に計る、運動前に計る、というように。
そして示される数値はあくまで「推測値」なので、
自分の変化・推移をみる「目安」として参考にするのがよいでしょう。
パーソナルトレーナー稲田陽一